2011年4月26日火曜日

書評:インターネットの法と慣習


リアルな世界とネットの世界における法律を考えている本。
そもそも現実世界での方のスタンスでも欧米と日本では違うという
ところや歴史的な背景について書いてある部分は参考になった。記述内容は必ずしも現在のインターネット社会を反映しているわけではないけど、平易な文章で読みやすく、内容はまとまっている。

現実世界とネット世界の統治を比較している点は面白かった。例えば、
「ある程度開拓に成功して、開拓者たちが自ら享受している利益を既得権であると考えるようになった頃、そこに大規模な開発業者たちやたくさんの移民たちがやってきて、ついには本国(=現実世界)の政府がやってきて支配を開始した」といったあたりは非常にうまい例えであり、似たような構造を持っていると思えた。

著作権などはひじょーに難しいと思える話題ではあるけど、分かりやすく書かれていて理解しやすい。
念を押すために何度か同じ話が出ているけど、書き方は分かりやすい。

異論はあるかもしれないけどこの本で一番いいと思えたのは次の現在の政治について書いてある一文。
「少数ではあるが熱心な支持者となるだろう集団を捨てて、多数であるがあまり熱心でない支持者を獲得しようとする戦略だ。確かに、現代政治は支持者数の多寡によって決せられるわけだから正しい戦略だと思う。でも、ゆるい多数の支持者の集団が本当に深謀遠慮した上で国の舵取りができるかは疑わしく思う。」
これは全くそのとおり。自分の信念を大衆受けが良いように書き換えることはある程度必要。だけど、自分の意志を正しく伝えて「無党派層」と呼ばれる人を獲得するために聞こえの良いことを大声で叫ぶ人より、具体的な事を挙げて熱狂的少数を手に入れる戦略を取れるような人が地域の意見を代表するリーダーにはふさわしいと思う。

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